第48回衆院選の行方は…

さて、都議選の結果を受けて衆院選の予測が一部で出回っているようなのでコメントしておきたい。


出回っている予測は、数字まで決め打ちするなかなか踏み込んだものであるが、仮に当たっていたとしても多少のずれは生じる。したがって、数字から読み取れる概要を取り上げておこうと思う。


~出回っている予測の要旨~

・改選勢力で3分の2濃厚
・自民は微減に留まる・公明堅調
・野党が統一候補を繰り出すも野党の支持率が低調でふるわない


という感じで、都議選の後に出されたもののようである。

しかし、7月8日以前に発表されたものであり、最新の世論調査の実績が反映されているとは言い難い。


~個人的な観測~


最新の世論調査については既に前の記事で触れているが、

・内閣支持率が大幅減

・野党の支持率に直ちに結びついていないが、自民の支持率も減少傾向


以上の2点が確認されている。

また、朝日は「比例区はどこに入れる?」という国政選挙時と同じ設問を用意してきて、興味深い内容だった。参院選直前の同じ設問と比べると


・与党では自民公明がやや伸びた

・野党では民進党が下げたものの、共産が伸張した

・維新はやや低落(前回衆院選からは大幅な下落)


これらの結果からすると、以下のような得票率になる可能性がある。


自民:35%あまり

公明:15%あまり

維新:10%弱

民進:15~20%

共産:15%弱

社民・自由:合計で5%くらい


そうすると与党が6割台前半くらいを見越すことになる。かなりいい数字ではあるが、前回の衆院選が65%くらいだったので、与党の横ばい~微減と予想することに。

自民党の支持率は下落してるが、参院選の後は伸びていた。現時点では伸びしろの分が減少して、さらに追加でやや下げている感じである。とはいえ、追加で本当に下げるかどうかは8月以降にならないとわからない。今回は参院選と同じくらいの得票という予想になっている。

公明はやや支持が伸びていることを考慮した。

民進は再び下げているのだが、2012年末からすれば回復してからの下げなので、自民と同様いきなり底抜けしてさらに半分になるということはない。


☆比例での見込み

中央値だけ取り出すと、その数字だけ一人歩きしそうなのであえてそれは出さない。


与党側

今回は維新が減少するが、自民公明がやや議席を伸ばすという予想になった。

・自民は単独で70議席をうかがっている

・公明は30議席にのせそうな勢い

・維新は20議席は厳しそう

合計すると前回よりやや減少して、120議席が微妙なところ


野党側

端的に言えば、民進がやや伸び悩んだところに、共産が割って入ってくるイメージ

・民進は40議席は厳しい

・共産は21議席から上積み出来る可能性有り


社民や自由の得票も併せると、前回の56議席よりは増えて、60議席は超えてくるとみる。


☆小選挙区と合算すると…

結論:与党/改憲勢力での3分の2の維持は流動的に
改憲勢力:260~295~322
野党勢力:153~180~215


※3分の2=317議席


・与党は過半数を維持出来る

・3分の2については、中央値では割り込んだが予想レンジには入っている

・接戦区が多く、与党がおおきく票を減らしたわけではないが、前回の総選挙より増えることはないため、野党に議席が流れるところも出てくる。


小選挙区は得票に対して、このところの世論調査を加味して一定の数字を機械的にかけ算をしているだけなので必ず当たるわけではない。加味しなければ、中央値が3分の2前後になっていた。

比例区で見たように、得票自体がおおきく変わったわけではない(改憲勢力がかすかに下げただけだ)のだが、わずかな変化で数十議席の当落の入れ替わりをもたらすという計算になった。自民と公明が得票を伸ばすにも拘らずである。これは、接戦区が多くちょっとした票の動きが重要になるからである。

※接戦区は70以上ある

※接戦なのか、議席獲得確実なのかは得票率のポイント差で決定している。選挙区ごとに基準を変えることはしていない。一定のポイント差がつけば「先行=当選」と判断し、逆に一定のポイント差がなければ接戦と判定している。(判定ラインは非公表)


・自民は単独過半数は維持できそう。ただ、これ以上政党支持率が下がると210議席前後までさらに下押しする展開がないとはいいきれない。ただ、接戦区で持ちこたえれば出回っている数値である276議席に近い結果が得られる可能性もある。

・公明党は比例区で伸びる分、現有の35議席をやや上回る

・維新は大阪の選挙区で議席を得るため、20議席をうかがっている


・民進は小選挙区で逆転する箇所がある。民進というよりは共産に入りそうな票が配給されるので結果的に民進は支持率の割には善戦するとみる。比例区を合算すると100議席はおおきく上回りそうだ。自民がさらに下げた場合は150議席以上のシナリオも一応想定内。とはいえ、勝利にはほど遠い

・共産は比例区が中心。21議席よりは増えるかも

・社民は沖縄などの選挙区で議席を得られる可能性がある。比例とあわせると前回より増えるとみられる。

・自由党は岩手で議席獲得のチャンスがあり、現有議席を割る可能性は低い。


エリア的には…

・北海道・東北では参院選と同様の傾向が続く。そのため、この地域は野党だけで3分の2前後を獲得する可能性が有り、北海道ではかなりの議席を獲得する可能性も。東海・信越も比較的野党側に有利。

・与党についてだが、上記以外は比較的に優位に立っている。特に中国地方と九州で強い。中国地方は総取りしてもおかしくないくらい差をつけている。沖縄は若干不透明な情勢だが、得票差からしても2議席を奪還できるかどうかだろう。他には北陸や北関東が比較的与党有利である。


まだ区割りの改定を反映していないので、予想はまだまだ変更の余地がある。

8月の内閣改造あたりで内閣支持率が下げ止まるのか当面はそこに注目したいと思う。当然、今後の支持率の上げ下げは衆院選の予測値に変動をもたらすものである。


3分の2を巡っての攻防はまだまだ続くというのが個人的な結論である。




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