連載:はじまりの旅 第5回

~3日目の夜に~

夕飯は、温泉街の食堂で食べた。

鹿肉の定食をオーダー

鹿肉の焼き肉と鹿肉のチャーシューが入ったラーメンが出てくる。

奥にあるのが味噌だれの焼き肉。手前がラーメンである。

焼き肉の方はくせが残っているのだが、味噌だれと一緒に食べることである程度とれる。脂身がないのでヘルシーな味わいで、ご飯も進んだ。

鹿肉のチャーシュー…どうなんだろうと思ったけれど食べられる柔らかさだった。


食べ終わって、会計を済ませて二言三言話しているとと店のご主人が現れた。

「食べれたか?」とたずねられた。僕はもちろんYESである。美味しかったと思う。そこで、チャーシューについて僕からたずねた。

すると、ご主人は「本来は使えない部位を水から炊いた」のだという。本当はかたくて食べられない肉を手間暇をかけて調理したのだという。食堂のラーメン1杯だからそれほどの手間がかかっているという予想はしていなかった。しかし、大きな間違いというか自分が軽薄だったのだろう。

鹿肉を食べられるチャーシューにするだけでも渾身の1杯だったのである。

「今度は夏においでね」

そう僕は、送り出された。僕はまだ川湯温泉にはいけていない。



ご飯を食べれば温泉である。早速、大浴場で浴槽にてのんびりしようとしたのだが…


大誤算だった。

温泉自体はいい温泉だったと思う。しかし、強酸性の温泉で5分もつかっていると肌がヒリヒリしてくるというスリリングなものだったのである。脱衣場に戻ったとき、僕は温泉の成分表を見た。硫黄の温泉であることはわかっていたのだが、驚いたのはpHの値だ。1.8とか1.5とか書いてあったように記憶しているのだが、記憶違いだっただろうか。


思わず、近い知り合いにLINEを送ってしまったのである。


この日は、イレギュラーがあって大変な1日だったけど、なんとか宿泊地は予定通りということになった。4日目は川湯温泉→網走といって釧路へ戻ることにした。4日目の釧路泊も予定通りなのである。つまずくならこの辺だなあと思って3日目と4日目の宿泊地は近くに設定したのである。


まさか当たるとは…


(次回に続く)

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