政局に関する雑感

さて、世論調査が色々発表になったので一言。

まず、内閣支持率が続落してしまった。

どこでも傾向が一緒なので、差し当たり朝日の7月11日の記事を用いるが、

参照:http://www.asahi.com/articles/ASK7B3Q0BK7BUZPS004.html


~安倍内閣は存続できるか?~


◆あなたは、安倍内閣を支持しますか。支持しませんか。

 支持する33(38)

 支持しない47(42)

 その他・答えない20(20)


以上のような状況になっている。括弧内はさらに1週間前の数字である。1週間で動きがあるというのは珍しい。


いよいよ内閣支持率が30%目前かということで、早くも安倍内閣退陣論が浮上しているようだが、いくつか段階があるし本当にそうなるかというと退陣論というのは現時点では想定されるいくつかのストーリーの中の1つに過ぎない。


ストーリー1

某学園問題の説明で回復するというもの。

※ちなみに欧州外遊は世論調査の実施前からはじまっていた。それで上記のような数字なので外遊での回復はない。

ただ、7月10日(月)閉会中審査の報道を各種見ていると新たな資料や証言が出てきたという感じではなかった。つまり新たな説明は事実上なかった。それまでの説明に対して有権者が懐疑的な視線を向けていたのだから、閉会中審査の結果大幅に回復するという想定はほとんど不可能である。

この疑惑への説明で支持率回復を図るのであれば、新たな資料や証言に加えて首相の出席が条件になりつつある。しかし、安倍首相が応じるようには思えないので、やはりこの線はないと思った方がいい。


ストーリー2

内閣改造

こちらの方が可能性が高い。内閣不支持の理由として「閣僚がダメ」というものがそれなりにあった。改造を行えば、なお首相への不信感が見られるため完全回復は難しいが、幾分か支持率は上昇する可能性がある。

とはいえ、新閣僚に不祥事が発覚すれば元の木阿弥どころかさらに支持率を下げる原因になりかねない。人選は慎重に行うべきであることは言う迄も無いだろう。


一応内閣改造がうまくいったところで、さらに選択の時を迎える。

それは経済政策を再び中心に据えるか、改憲に一気に突き進むかだ。

安倍首相は前者をやりつつ後者もやろうとしているように見える。


ここで、朝日の関連設問を見てみると


◆憲法の改正についてうかがいます。安倍首相は、2020年の施行を目指し、この秋の臨時国会で、自民党としての憲法の改正案を示したいという考えを表明しました。あなたは、安倍首相のこの考えを評価しますか。評価しませんか。

 評価する35

 評価しない49

 その他・答えない16


というわけで、うまくいくと言い切れる状況にない。安倍首相が確実に改憲したいのであれば、一旦経済政策を進めて支持率がある程度回復したところを待って、衆議院を解散するのが得策だろう。

そこで都民Fとも連携して何とか改憲勢力で3分の2を維持して発議へ進むというのが今のところ一番無難な気がする。今のまま発議へ進むには、上記の世論調査の結果をひっくり返せるだけの材料が必要だろう。


逆に某学園疑惑の説明を内閣改造で払拭できなかった、内閣改造後の新閣僚に不祥事が発覚したなんてことになれば、直ちに危険水域で安倍政権の存続が危ぶまれる。重大局面であるということは改めて申し上げておきたい。



~衆院選で自民は勝てるか~

政党支持率よりもっと面白い設問がある。


◆仮にいま、衆議院選挙の投票をするとしたら、あなたは、比例区ではどの政党に投票したいと思いますか。(択一)

 自民37▽民進12▽公明8▽共産10▽維新6▽自由1▽社民2▽日本のこころ1▽その他の政党1▽答えない・分からない22


これは実際の投票をイメージしての回答になるので参考なると思う。こうしてみると自民は以前の同じ設問からすると6ポイント減なのだがまだ高い位置にいる。過去の比べてみると、今回の自民の数字は前回の参院選並みと見ている。その時は自民はそれなりに議席を獲得している。したがって、自民が大敗する-特に過半数割れしてしまう-というシナリオは時期尚早である。

野党については、民進が衰える一方で、共産が勢いを増している。民進は前回から-2ポイントで共産は+2ポイントである。民進は比例票でいうほど伸びないかもしれない。逆に共産は過去最高得票も視野に入ってきている可能性がある。このようにかんがえると野党も現状維持+αが現時点ではせいぜいだろうと推測する。


結論からすると、現時点では与野党の構図はおおきく変わらないのではないかとみている。とはいえ、このままの数字で行くとは思えない。8月以降の動きによっては-特に自民の支持率がさらに下げるということになれば-シナリオは激変する。そうでなくても、選挙前になって数字が動く可能性がある。無党派層は概して今の政権与党に対して厳しい評価を下しているので現時点で自民の数字が安泰だからといって他に明確な根拠がない限りは解散総選挙仕掛けるのは自民・安倍政権にとってリスクである。


だからこそ、安倍内閣の17年夏の陣は今後の政治においてものすごく大事な局面となっていると思う。


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