第48回衆院選 2回目予想

久々のブログである。早速衆院選の2度目の予想を出したので詳しく紹介する。

まず各党の議席予想レンジは以下のとおりである。


○改憲勢力:399-420-441

自民 222~275~329  

公明  34~35~36   

希望  55~90~124

維新  12~19~27  


○非改憲勢力:21-40-59

立憲民主 8~18~28

共産   9~11~14

社民   2~2~2

無所属  2~9~15


※上記いずれにも属さない無所属が6~8~10


概況

・自民と公明で300議席を突破する勢い

・自民の議席減は限定的で安倍政権は継続か

・改憲勢力で国会を完全制圧・改憲発議へ

・リベラル勢力は不信任案・一部法律案の提出困難に


自民は現有議席から微減で維持できそう。レンジの下であれば222だが、それでも公明党とあわせて過半数を超えることは確実で、維新や希望の党との連携で十分な勢力を維持できる見込みだ。仮に予想を下回っても現時点では安倍政権が退陣する可能性は低いとみている。

公明は安定の現状維持。

維新は大阪で自民に勝てば議席が上積み出来そうだ。

希望の党は小池知事が出馬しないこともあって伸び悩んだ。踏み込んでいえば、民進党のままでも努力すれば勝ち得た議席程度といわざるを得ない。民進党の前回の予想レンジのMAXは130を超えていた。前原氏は自分の政治信条とあわせるかたちでリベラル勢力を切り捨ててでも一発逆転を狙ったようだが、完全不発に終わりそうである。風に頼るだけでは選挙を戦えないということが改めて示唆されたと思われる。

立憲民主党は北海道や東京で接戦区があるのでそれ次第である。擁立数が少ないため現時点で比例票は厳しく計算せざるを得ないため、極めて厳しい状況だ。重鎮の中、枝野・赤松は現時点では自民に先行を許しているとみられる。比例は各ブロックで1~2議席のため、小選挙区で落選した場合は比例復活が厳しい。なお、代表枝野の北関東は比例1議席が当落線上で、現時点では比例復活すら失敗の恐れもある。

共産は候補者の擁立を見送った箇所が多く、支持率も落ちついたことから現有議席を下回る公算が強い。北海道や中国・北陸信越の議席が微妙なところである。沖縄1区は現時点で自民に先行を許しているとみられる。

社民は現有議席維持である。非改憲勢力の無所属候補は15人ほどが当落線上にいるとみられ、選挙戦で抜け出すかが見物である。


地域ごとのコメント

北海道

北海道は希望の党の候補者擁立が進まなかった、いわゆる「小池知事の神通力が通用しなかった」エリアである。これほど進まなかったのは北海道と四国くらいのものである。

そのため基本的には自民と立憲民主あるいは共産との一騎打ちになる選挙区が多い。有権者にも小池知事の神通力が通用していないのであれば、これらの選挙区ではそれほど希望の党に流れず接戦になるのではないかとみている。立憲民主が一歩抜け出す選挙区が出てくると俄然白熱しそうだ。

希望の党は2区・4区・9区で候補者を出して、4区では立憲民主と被る。小池知事の発進力が通用しないのなら、4区は立憲民主に票がより多く流れるとみられる。共産票とあわせれば自民と接戦になるというのは珍しく強気の予想だがどうなるだろうか。他の2つの地区では希望の党が議席を視野に入れているとみられる。

結局のところ、自民は12区や7区で、希望が2区あたりで先行しているが残りは明確な優劣がついていない状況だ。北海道はおおきく情勢が変わる可能性がある。

比例では、共産の現有議席が維持されるかが見所。自民・公明で4議席については安定している。残りの議席を立憲民主・希望・共産で分け合うためだ。


東北

希望の党の神通力が通用したとはいえ、旧民進出身者がやや多い。秋田・福島・青森の一部の選挙では接戦判定が出ている。これらのエリアは目が離せない。特に福島は要注目。

立憲民主系は宮城1区と2区だ。この人たちが議席獲得へつながるのかにも目を向けたい。

あとは岩手の小沢王国を除いて自民が安定した戦いを演じるとみている。


北関東

自民が原則として安定した戦いを演じて、それに対して希望の党がいくつかの選挙区で差を詰めているという構図だ。自民は30議席以上確保できそうなエリア。

茨城は1区・5区あたりで埼玉では1区~9区の中に接戦区がいくつか出来そうな様相だ。

栃木2区は野党統一系無所属と自民との毎度の一騎打ちだが今回はどちらに軍配が上がるのだろう。

埼玉5区は枝野氏の地盤である。都知事の評判が悪いらしいというのは分かる。しかし、1割で1~2万票の票が右から左へ流れてしまう2万票動けば4万票差が吹き飛んでしまい結果が完全に変わってしまう。北海道ほどリベラル地盤とはいえない地域において、枝野氏が現時点で票を失う可能性は高いといわざるを得ない。生判定は「自民やや先行・希望&立憲民主追う」となっている。

比例票は自民と希望で分配される。立憲民主党は小選挙区での擁立が少ないため比例票の掘り起こしが困難な情勢だ。現状では最後の1議席を自民と争い、自民にわずかに先行を許している。つまりそのままなら議席ゼロである。共産はさすがに1議席確保しそうではある。


南関東

自民が安泰で、30議席台半ばをうかがう情勢だ。

神奈川は菅官房長官・甘利元大臣・河野外相・小泉氏の地盤であるため、自民が極めて有利な状況になっている。もちろん希望の党が刺客を立てても追いつかない。

希望の党は比例票が堅調に推移する見込みで、10議席を上回る勢いを見せている。ただ、選挙区はほとんど自民に先行を許しており、自ら先行している区はなさそう。

公明党は安定した戦い。共産も比例で議席獲得を見込む。

立憲民主も比例では議席を獲得する可能性がありそうだ。


東京

小池知事のお膝元である。ただ、支持率の低下が顕著なため、自民に先行を許している希望の党の候補者がいる模様だ。結局のところ、議席予想では自民が希望にやや先行する結果となった。

小選挙区

自民9~24 希望0~16


比例区

自民5~6 希望6


合計

自民14~22~30  希望6~14~22


とはいえ、都議選では自民が惨敗をしており先行する区でも接戦区のつもりで取り組むことになるだろう。首都決戦どちらが勝者になるのか見物である。


ちなみに、一部の区では立憲民主と共産・社民が組んで統一候補を繰り出している。

今のところ5区~7区・18区あたりでは自民・希望と三つどもえの戦いになり立憲民主党が議席を獲得する可能性もある激戦区だ。長妻・菅の選挙区が含まれている。

比例については自民・希望・公明・民主・共産・維新主要な政党が全て議席を獲得する見通しである。


北陸信越

北陸は石川県で希望の党と僅差になっている以外は自民が安定している。

新潟については、立憲民主系の候補者で一本化がほぼ完了した。新潟は参院選・知事選と激戦だったエリアで今回も過半の選挙区で接戦判定となった。自民がこのブロックで大勝するかは新潟の接戦区の結果次第だ。

長野については、民進党のままでも接戦区をものにすれば4勝する可能性があったのだが、希望の党で分裂してしまった。1区は統一候補系の候補者が自民と競っている。2区から4区で希望が議席を獲得する可能性がある。自民は5区はほぼ確実で、1~4区でどれだけ勝てるかが焦点である。

比例では立憲民主と共産の1議席獲得が微妙なところで、自民や希望と最後の1議席を巡る激しい戦いになりそうだ。


東海

希望の党へ進んだ人間が多く、静岡や愛知のいくつかの選挙区で議席獲得が視野に入っている。自民党は希望の党と立憲民主が乱立したためやや有利だ。

ちなみに、愛知1区・3区・5区が自民・希望・民主が三つどもえになっているがいずれもポイント数では自民が先行している。立憲民主は小選挙区での議席獲得が微妙である。

岐阜や三重では自民が有利に戦いを進めている。ただし三重1区・2区は野党統一候補がおり、選挙戦後半で追い上げてくる可能性がある。

比例はここでも自民が第1党である。10議席弱である。希望と立憲民主については前者が先行し、6議席程度で立憲民主は1議席程度に留まる見込み。公明は堅調で共産と維新も議席獲得が濃厚である。

自民は東海エリアでも合計30議席を超える勢いだ。


近畿

維新の牙城である。民進党が割れ、大阪では希望の党が擁立を見送ったため、維新に集票されやすい条件が整っている。基本的に辻元氏の地元と平野氏の地元と公明の選挙区以外では維新と自民が激しい戦いを繰り広げそう。維新は大阪で自民に競り勝てば全国合計で30議席に迫る可能性がある。堺市長選で負けたことから挽回できるかが鍵である。

自民は大阪でやや苦戦しそうだが、兵庫・奈良・和歌山・滋賀では安定した戦いで京都でも議席獲得が視野に入っている。比例と併せると40議席に迫る勢いがありそう。

立憲民主党は比例で1議席を獲得して辻元氏が比例復活できるかが焦点。

共産は比例で2議席は濃厚で、3議席も射程内に入っている。京都1区は今回も厳しそうで穀田氏の比例復活連続記録は更新されそうな予感。


中国四国

自民が安定した戦いぶり。希望の党と野党統一系の無所属が合計数議席に絡んでいる他は、自民が独占しそうな気配である。


九州沖縄

自民が安定した戦いを見せる。いくつかは希望の党あるいは無所属の原口氏と競り合う展開である。比例とあわせて30議席後半を狙う。希望の党も比例区を中心に議席獲得が濃厚である。

沖縄については、2勝2敗の予測。社民と無所属のデニーさんが2勝。もう2勝は自民とみている。しかし、内閣支持率が低落傾向のためこの情勢が変わる可能性がある。沖縄1区の共産の赤嶺氏は現時点で比例復活が濃厚である。



今後について

希望の党がまだなにか奇策を打ってくるのかがひとつの焦点である。

やはり小池知事が出馬するというのならまた盤面は変わる。自民との連携もあるようなのでその辺が具体化する可能性もあろう。ただ、後者については野党ポジションを放棄することに繋がるので野党からの攻撃材料になりそう。

自民公明はいままでの5年弱について「成果があった」という説明がどの程度浸透するかが鍵である。ただし、森友問題等の疑惑に対して有権者がどのような視線を向けるのかもポイントになるだろう。また消費税の使い道といった提案がどこまで受け入れられるのかも注目である。

立憲民主・共産・社民は現時点ではかなり絶望的である。とはいえ、自民の支持率がやや下降していることや希望の党が失速しているためいくらか持ち直す可能性がある。自民党と違って消費税増税を容認しない立場・一連の疑惑への問題視・改憲への賛否といった立場が有権者にどううつるのかがポイントになりそうだ。

また、上からの民主主義か下からの民主主義かという争点も打ち出した模様でこれも一応注目だ。浮動票が集まると支持が伸びて接戦区で先行する可能性も残されており、まだ結果が動きそうだ。


10月10日過ぎに3度目の予想をする予定である。どの程度情勢が変わるのだろうか。


終わり







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