2019年参院選予想1回目


自民堅調・再び60議席超へ
改憲勢力での3分の2維持をめぐる激しい攻防か

○概況

堅調な基礎票を持つ自民が再び60議席を超えそうな状況だが,2013年の議席に届くかは微妙な情勢で改憲勢力での3分の2ラインを巡る激しい攻防になりそうだ。

今回も野党は1人区で統一候補戦略を組んでいるが,先般の情勢からすると前回ほどの勝ち星は厳しく,明確に野党側が差をつけそうと現時点で読めるのは沖縄と長野の2議席に留まる。自民は1人区でいくつか逆転が見えてきている。

与党は自民がほぼ横ばいの得票を見込み,50議席台半ばを固めて60議席台に届く可能性が高い。70議席は厳しい。公明が微減で,比例で1議席減になりそう。維新も前回並みの水準は厳しそう。

野党は立民が1500万票をうかがい,今回の選挙のみで20議席に届く見込み。国民が今のところ野党票だが非共産票を背景に野党第二党を維持しそうだが,二桁議席の獲得は厳しいか。共産は基礎票レベルに留まり2012年衆院選の水準まで後退もあり得る。社民は議席獲得が微妙で苦しい。

予想投票率:前回並み~やや高い


○複数区

東京・神奈川・大阪・兵庫で野党系候補混戦。自民は安定した戦いぶり。

北海道

与党票+新党大地(20~30万票)で150万をうかがう。道知事を務めた高橋はるみが知名度を活かして一歩抜け出し、60万票を超える可能性も。立民は高めの支持率を背景に勝部が高橋と競り合う。自民の新人岩本はわずかにリードしそうだが,国民の原谷の猛追がどうなるか。鈴木ムネオは40万票台の当選ラインに向けて懸命に追う展開になりそう。無党派層の動向次第では共産の畠山が浮上する可能性もある。野党票は共産入れて120万くらいか。

※野党の候補者を合計2人に絞った場合は,岩本と野党系2人目が横一線の激しい争いになりそう。

茨城

自民・公明で60万票以上の豊かな票田をもとに,上月がリード。野党は分裂しており,立民と国民がそれぞれ30万票に乗せられるか微妙なところ。2議席目を自民新人・藤田・海野が横一線の激しい戦いになりそうだ。

千葉

与党票であわせて120万を超える勢いがありそう。まず,石井が先行する。その次の長浜もリードする。自民は票割りが心配な点。豊田はいまのところやや先行するも,票割りに失敗し50万票を下回ると浅野の追撃を許す可能性がある。3議席目は豊田やや先行・浅野が追うといったところか。

埼玉

古川・矢倉が盤石で,新人の熊谷がリード。国民の新人が中間である程度票を伸ばすとみられる。伊藤が懸命に追っている。4議席目が国民やや先行・伊藤追う。

東京

丸川が盤石だ。武見と立民新人がリードする。山口も前回得票からすればやや優勢だろう。自民は200万票近い予想得票を背景に,無難に2人当選となりそう。立民も150万票以上の確保が有望で比例票から考えれば2人目の当選に手がかかっている。しかし,国民の1人目も一定程度票を確保しうること,2013年の選挙で粘り強く当選した吉良・山本もいるのでこの4者が激戦となりそう。いまのところ,この4者については当落予想が困難である。

神奈川

島村は自民の高い支持率・得票を背景に100万票を超える盤石さ。立民の牧山も堅調な支持率を背景に先行する。公明の佐々木は順当に行けば60万票前後でこれもやや先行。松沢は無所属だが,知名度があるため目が離せない。ただ,今回は無所属になることも有り過去2回健闘している浅賀と競り合いそう。

愛知

酒井が独走だ。大塚と田島はそれぞれ知名度と政党支持率を背景に堅調だ。公明の安木も優勢。

静岡

牧野独走。榛葉と立民新人が激戦だ。この2人が横一線の場合,自民の2人目を立てれば通る余地が出そうだ。

京都

西田が先行する。2議席目については,立民が高い支持率を背景に増山がわずかにリードする。ただ,共産の強い地域であるために倉林が猛追する展開。

大阪

混戦だ。過去の実績からすると杉久はややリードしそう。亀石も無党派の支持が集まれば50万票を大きく上回って当選圏に入りそう。自民は2人擁立しようとしている点が微妙。これまでの経過からすれば柳本・太田の順だろう。ただし,維新の現職・東も知名度があるため,太田までの当選が簡単に見通せない。柳本・東・太田横一線で辰巳がそのラインに向けて懸命に追う展開。無党派層の動きによって当落がかなり入れ替わりそうで予断を許さない。

兵庫

自民の安定した得票から加田と高橋が優勢。立民の新人も前回衆議院選挙の比例票からすれば順調に伸びることが期待できるが,清水と接戦なりそうだ。維新は現職清水の議席が守れるかが焦点。

広島

溝手が圧倒的優位だ。森本もいまのところ立民の候補者がいないため一定程度票を集めてリードしそう。ネットでは自民も2人目もいけるという声があったが,データを見る限りいまのところ現実的な選択肢とまでいえるか微妙だ。

福岡

松山・下野・野田が優勢で,無風の選挙になるとみられる。

○1人区

自民過半で先行またはやや優勢。野党系リード2つのみ。

沖縄

県知事選挙の余波から高良がやや優勢で,安里が懸命に追う展開。

鹿児島

尾辻安定。

宮崎

長嶺盤石。

熊本

馬場優位。

佐賀

山下先行。

長崎

古賀がやや先行する。前回の参院選では10ポイントを切って接戦気味だった。白川は懸命に追っているが,このままだと横一線に持って行くにはやや距離感がある。

大分

磯崎がこれまで勝ってきたが,30万票に届いていないため,注目区。現時点では野党が統一候補を出しているため激しく競り合うとみる。磯崎・安達が激しく競る。

徳島・高知

高野先行。

香川

三宅先行。

愛媛

前回永江が横一線まで詰めたが,過去の得票状況からして井原がわずかに先行するとみる。永江は猛追する展開で,前回を超えられるかどうか。

山口

林先行。

鳥取・島根

舞立先行。

岡山

石井がやや優勢。立民の堅調な支持率を背景に,原田が激しく追う展開。無党派層の動きによっては競り合いになる可能性も。

和歌山

世耕安定。

奈良

堀井がやや優勢。西田は野党票をまとめて迫れるかどうか。

滋賀

二之湯がわずかにリードするも,今後野党の候補が統一されるか次第である。特に前の滋賀県知事は知名度もあるため,予断を許さない。

三重

吉川と芳野が一歩も譲らぬ展開。前回も与野党が僅差の戦いを見せており今回も同様に激しく競り合う展開もあるだろう。

岐阜

このところ自民が安定した戦いをしているが,予断を許さない。過去の政党得票データもあわせてみると大野が順調に得票を伸ばすも梅津が伸びて競り合う可能性がかなりある。

福井

滝波盤石。

石川

山田安定。

富山

堂故盤石。

長野

衆院選では野党側に過半の比例票が集まった。これを背景に,羽田がややリードし,小松が猛追する展開。ただ,比較的僅差で決まる傾向が強く情勢は変わる可能性も。

新潟

与野党がほぼ五分の比例票になっている。ただ,小選挙区や前回の参院選とその直後の知事選の結果になどのデータを見る限り,やや野党に結果がもたらされている感じはある。ただ,このあいだの知事選では与党が勝っている。各種データからも優劣を付けることが非常に困難な状況。風間・塚田横一線。

山梨

前回の参院選や衆院選の結果などを踏まえても与野党の票差は僅差である。現時点では森屋がわずかに先行しそうだが予断を許さない。

群馬

原盤石。

栃木

昨年の衆院選などの結果も考えると高橋がやや先行する。立民の加藤が猛追するがどこまで接戦になるのだろうか。

福島

共産も含めた野党票が比較的多く,野党統一候補と森が激しく競り合う展開を予想する。

宮城

与野党の基礎票が拮抗する。このままの情勢であれば愛知と野党統一候補が激しく競り合う。

山形

前回は舟山が圧勝したところ。しかし,基礎票を見ると与党票が目立つ。現時点では野党統一候補と大沼が横一線に並びそう。

秋田

中泉がやや優勢。

岩手

平野が知名度を武器に戦いそう。現時点では野党統一候補と平野の勝敗の予想は困難だ。

青森

滝沢がやや優勢になりそう。

○比例区

自民やや先行・立民が懸命に追う

自民は2000万票近い得票予想を背景に,18議席程度を固めて20議席に迫る勢いが有り堅調だ。公明党は,前回の7議席目が厳しいか。維新は2議席に留まる可能性がある。立民は,衆院選の希望の党やその他野党の票を一定程度取りながら上昇を続け1500万票がひとつのラインになりそうで10議席以上は確実だ。国民は票が伸び悩み。有力候補もいるため一定程度は確保するとみられるが,5議席から先は全く見通せない。共産は,前回より厳しいが3議席を固め4議席目が射程圏内。社民は1議席死守なるか。

○合計予想

自民(選挙区37~44~49+比例区18~19~19=55~63~68)

公明(選挙区7+比例区6=13~13~13)

維新(選挙区0~1~2+比例区2~3~3=2~4~5)

立民(選挙区8~10~14+比例区13~13~14=21~23~28)

国民(選挙区4~4~8+比例区4~5~6=8~9~14)

共産(選挙区0~0~4+比例区3~3~4=3~3~8)

社民(0~1~1)

自由(0~0~1)

野党系(1~4~8)

その他(0~1~1)

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