「自民引き続き60議席超の勢い・維新復調」
○概況
堅調な基礎票を持つ自民が再び60議席を超える勢いがある状況。さらに改選議席の過半数に到達する勢いがある。今回も野党は1人区で統一候補戦略を組んでいるが,先般の情勢からすると前回ほどの勝ち星は厳しく,明らかに先行・リード以上の選挙区がない(ただし沖縄や長野はややリードを見込んでいる)。自民は前回敗北を喫した1人区でいくつか逆転が見えてきている。ただし,東北は接戦区ばかりで野党も勝ち星を伸ばす可能性がある。
与党は自民がほぼ横ばいの得票を見込み,50議席台半ばを固めて60議席台に届く可能性が高い。70議席は厳しく,現有議席の維持も微妙。選挙区は30議席台半ばを固めて40議席超を見込んでいる。複数区は安定しており,静岡や茨城・広島で2議席目も視野に入っており力強い。野党は2人区で自民に総取りを許す可能性も。比例も堅調だ。
公明は手堅い得票で堅調に議席を確保し,10議席台前半までは伸ばしそう。選挙区は全員当選を見込み,比例区も以前ほどの勢いはないにしろ6議席はほぼ確実で現有7議席目に手が届くかどうか。
維新が復調している。大阪・兵庫で再び票を伸ばし,大阪では150万票以上,兵庫でも50万票を超える得票が見込まれ自民・立民につづく得票数になる可能性が出てきた。しかし,大阪近辺を中心とした都市部とそれ以外では得票率に大きな差が出そう。選挙区では大阪で2人ともリードし,兵庫でも現職がやや先行する。比例は他の地域の票数次第だが4議席はほぼ固め5議席目以降に手が伸びるかどうか。合計7議席程度が有力で10議席をうかがう可能性がある。
野党は立民がさらに票をのばし,今回の選挙では合計20議席に届く可能性が高い。複数区で最低1議席ずつ確保できる地域が多い。選挙区では7議席が確実でさらに4議席程度が自民と競り合いになっている。また共産とは京都で競り合っている。比例も10議席は確実でさらに伸ばす可能性がある。
国民は野党第二党を維持出来ない可能性が出てきた。合計で二桁議席の獲得が出来るか微妙なところ。愛知・長野での議席獲得が有力になりつつあるがその他の選挙区では競り合いとなっており,接戦区で落選が続けば大きく後退する可能性がある。比例も有力議員の地元では伸びる傾向があるが立民におさえられそうで、5議席が厳しくさらに減らす可能性がある。
共産は基礎票レベルに留まり2012年衆院選の水準まで後退もあり得る。選挙区では,0議席の可能性はあるが,複数区で東京・埼玉・神奈川・京都が接戦となっており,議席獲得自体は視野に入っている。比例区は1~2議席減の見通し。複数区の結果次第であろう。
社民は議席獲得の攻防に。野党系無所属は沖縄で1人がリードし,東北で4人が接戦になりそう。
予想投票率:前回並み~やや低い
○複数区
北海道 自民2議席ややリード
与党票+新党大地(20~30万票)で150万をうかがう。道知事を務めた高橋はるみが知名度を活かして一歩抜け出し、60万票を超える可能性も。立民は高めの支持率を背景に勝部が高橋と競り合う。自民の新人岩本がややリードするも鈴木宗男が猛追し畠山がもう一歩。国民原谷は追い上げに懸命。
茨城 立民新人と自民新人競り合い
自民・公明で60万票以上の豊かな票田をもとに,上月がリード。野党は分裂しており,立民と国民がそれぞれ30万票に乗せられるか微妙なところ。ただ,国民の現職が立民に移籍の上立候補しないというのである。そうすると,無党派票の動向からすれば,2議席目は立民新人と自民2人目の競り合い,国民が懸命に追う展開を予想。
千葉 豊田やや先行
与党票であわせて120万を超える勢いがありそう。まず,石井が先行する。その次の長浜もリードする。自民は票割りが心配な点。豊田はいまのところやや先行するも,票割りに失敗し50万票を下回ると浅野の追撃を許す可能性がある。
埼玉 共産伊藤・国民宍戸横一線
古川・矢倉が盤石で,新人の熊谷がリード。4議席目は熾烈な争いになりそう。国民新人の宍戸は中道票を集めるという考えも一応あり得そるところだ。しかし,世論調査を参照すると無党派の支持に伸び悩みが見られる。このため,宍戸・伊藤の横一線。どちらが勝つかわからない状況だ。無党派の行方,基礎票の票割り・協力があるか勝敗の分かれ目はいくつかある。このラインに向けて維新の新人が懸命に追いかける。
東京 立民2議席目視野
丸川が盤石だ。塩村が立民支持層と知名度を武器に先行する。山口も前回得票からすればリードとみてよいだろう。自民は200万票近い予想得票を背景に,武見も60万票以上見込まれやや先行する。立民も150万票以上の確保が有望で比例票から考えれば2人目の擁立があるだろう。残る2議席については吉良と山本を加えた激しい争いを予想する。無党派の動向からすれば,立民の2人目をわずかな差で吉良と山本が追う展開か。
神奈川 松沢・浅賀が激しく競る
島村は自民の高い支持率・得票を背景に100万票を超える盤石さ。立民の牧山も堅調な支持率を背景に先行する。公明の佐々木は順当に行けば60万票前後でこれもやや先行。松沢は無所属だが,知名度があるため目が離せない。ただ,今回は無所属になることも有り過去2回健闘している浅賀と競り合いそう。
愛知 4氏優勢
酒井が独走だ。大塚と田島はそれぞれ知名度と政党支持率を背景に堅調だ。公明の安木も優勢。
静岡 榛葉の再選なるか
牧野独走。榛葉と立民新人が激戦だ。この2人が横一線の場合,自民の2人目を立てれば通る余地が出そうだ。
京都 増山・倉林一騎打ち
西田が先行する。2議席目については,立民が高い支持率を背景に増山がわずかにリードする。ただ,共産の固定票が多い地域であるために倉林が猛追し競り合う展開を予想する。
大阪 4議席安定へ
情勢が変わった。自民は柳本が立候補しないため,太田のみの出馬。太田は自民票を背景に優位に立つ。公明杉久も先行している。大阪W選挙で勝利した維新は東が盤石だ。最後の1議席についてもW選の勢いで100万票台に乗せる維新新人が一歩リードして亀石と辰巳が懸命に追いかける。
兵庫 維新清水やや先行
自民の安定した得票から加田と高橋が優勢。立民の新人安田も前回衆議院選挙の比例票からすれば順調に伸びることが期待できるが,清水に勢いが有り,懸命に追いかける展開を予想する。
広島 森本・河合横一線
溝手が現職で優位だ。しかし,2議席目の情勢が変わってきた。自民が河合を2人目として擁立した。そうすると,自民・公明の票が60万票台に到達する見込みで,野党系の票が少ないために自民の総取りの可能性が出てきた。森本は現職としての票は持っているが,20~40万票にとどまる。森本と河合が激しく競り合う展開を予想。
福岡 3氏優勢
松山・下野・野田が優勢で,無風の選挙になるとみられる。
○1人区
自民過半で先行またはやや優勢。前回より与党が勝ちそうだ。野党系は3人が一歩リードあるいは接戦でも逃げ切る可能性が高い。ただ,当落線上ある選挙区が多いため,今後の情勢次第では,野党系も半数に迫る余地はある。
沖縄
県知事選挙の余波から高良がリードで,安里が懸命に追う展開。
鹿児島
尾辻安定。
宮崎
長嶺盤石。
熊本
馬場優位。
佐賀
山下先行。
長崎
古賀がやや先行する。前回の参院選では10ポイントを切って接戦気味だった。白川は懸命に追っているが,このままだと横一線に持って行くにはやや距離感がある。
大分
磯崎がこれまで勝ってきたが,30万票に届いていないため,注目区。現時点では野党が統一候補を出しているため激しく競り合うとみる。磯崎・安達が激しく競る。
徳島・高知
高野先行。
香川
三宅先行。
愛媛
自民は候補を入れ替えてらくさぶろう氏を擁立した。野党側は引き続き永江氏。前回は永江氏が横一線まで詰めたが,このほどの情勢では自民現職がややリードする可能性が高かった。今回は情勢が変わり再び横一線まで詰める可能性が出てきた。
山口
林先行。
鳥取・島根
舞立先行。
岡山
石井がやや優勢。立民の堅調な支持率を背景に,原田が激しく追う展開。無党派層の動きによっては競り合いになる可能性も。
和歌山
世耕安定。
奈良
堀井がやや優勢。西田は野党票をまとめて迫れるかどうか。
滋賀
嘉田が統一候補として出馬する公算が強まった。与党票が多い地域ではあるが,嘉田の知名度があるため両者が激しく競る可能性が高い。
三重
吉川と芳野が一歩も譲らぬ展開。前回も与野党が僅差の戦いを見せており今回も同様に激しく競り合う展開もあるだろう。
岐阜
このところ自民が安定した戦いをしているが,予断を許さない。過去の政党得票データもあわせてみると大野が順調に得票を伸ばすも梅津が伸びて競り合う可能性がかなりある。
福井
滝波盤石。
石川
山田安定。
富山
堂故盤石。
長野
衆院選では野党側に過半の比例票が集まった。これを背景に,羽田がややリードし,小松が懸命追走する展開。ただ,比較的僅差で決まる傾向が強く情勢は変わる可能性も。
新潟
与野党がほぼ五分の比例票になっている。前回参院選と知事選は野党が昨年の知事選は与党がとり,衆院選では小選挙区で激戦となっている。風間が降りたことで塚田が有利になったと見る向きもある。しかし,塚田の活動からすると,それは早計だろう。塚田・打越横一線。
山梨
前回の参院選や衆院選の結果などを踏まえても与野党の票差は僅差である。現時点では森屋がわずかに先行しそうだが予断を許さない。
群馬
原盤石。
栃木
昨年の衆院選などの結果も考えると高橋がやや先行する。立民の加藤が猛追するがどこまで接戦になるのだろうか。
福島
共産も含めた野党票が比較的多く,水野と森が競り合う展開を予想する。
宮城
与野党の基礎票が拮抗する。このままの情勢であれば愛知と石垣が競り合う。
山形
前回は舟山が圧勝したところ。しかし,基礎票を見ると与党票が目立つ。現時点では芳賀と大沼が横一線に並びそう。
秋田
中泉が現職。ここに寺田議員の妻が立候補して知名度を武器に迫る。中泉・寺田激戦。
岩手
平野が知名度を武器に戦いそう。現時点では横沢と平野の勝敗の予想は困難だ。
青森
滝沢がやや優勢になりそう。小田切が懸命に追う。
○比例区
自民リード・立民が懸命に追う
自民は2000万票近い得票予想を背景に,18議席程度を固めて20議席に迫る勢いが有り堅調だ。公明党は,前回の7議席維持は厳しいものの600万票台の獲得が有望で6議席を見込む。維新はW選挙により回復し引き続き3議席が確定で4議席も手中に収めさらに上積みを狙う。関西で得票を伸ばし500万票を超えてくる可能性がある。立民は,衆院選の希望の党やその他野党の票を一定程度取りながら上昇を続け1500万票に近づいていきそうだ。少なくとも10議席以上は確実だ。国民は票が伸び悩み。有力候補もいるため一定程度は確保するとみられるが,最大でも5議席程度にとどまりそう。得票は500万票に届かない可能性がある。共産は,前回より厳しいが3議席を固め4議席目が有力になりつつある。得票は400万票程度を見込む。社民は1議席死守の攻防になりそう。100万票に届くだろうか。
無党派票の分散状況によっては,得票数が変わる。100万票動けば1議席の当落が入れ替わりうるだけに目が離せない。
○合計予想
自民(選挙区34~44~49+比例区17~18~20=51~62~69)
公明(選挙区7+比例区6~6~7=13~13~14)
維新(選挙3~3~3+比例区4~4~6=7~9~10)
立民(選挙区7~11~13+比例区10~13~14=17~24~27)
国民(選挙区2~5~5+比例区2~4~5=6~9~10)
共産(選挙区0~0~5+比例区3~4~4=3~4~9)
社民(0~1~1)
野党系(1~4~10)
その他(0~0~1)
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