6月度参考調査コメント

今月も時事関係について参考調査を行った。回答いただいた方にはお礼申し上げる。

とはいえ、タグの設定ミスもあり票数は最大200程度に留まっている。もとより統計上の完全性を保証したものではないが、設定ミスには気をつけたいところだった。


☆内閣支持率:支持率過半数割れ


支持する49(-5)
支持しない25(-3)
どちらでもない他26(+8)


不支持率もやや下落したとはいえ、支持率自体は再び過半数割れとなった。「どちらでもない」という選択肢に答えが集中した。

支持率の下落自体は他の調査と同傾向である。件の「共謀罪」法案の審議や疑惑が影響した可能性はある。


☆共謀罪/テロなど準備罪法案について:必要上回る


必要あり44
必要なし35

※この国会で通す必要があるかをたずねた


必要がやや上回ったが、先月の「今日共謀罪案に賛成か」という質問とほとんど同傾向だった。「わからない・どちらともいえない」は減少。今回は法案名を併記したため、肯定的な回答自体は上昇するが、「賛成・反対」という聞き方をしなかったためこの点は減少要素となり上記の結果をほぼ予想していた。賛否に大差がつかないのは大手調査と同傾向。


恐らく賛成・反対そして「テロなど準備罪」と聞けば肯定的な回答がさらに10ポイントくらい増えた可能性はある。


この法案はいろいろな点が議論されているが、大別して

・法案を作る必要性としての「事実」は存在するのかどうか

・必要性が立証されたところでそれに見合った法案になっているか

という2つのレベルにわかれる。


前者は、政府が「テロ対策」になる、取り締まれない場合がある、条約加盟に必要だという主張を展開している。

とはいえ、テロで使用されると考えられる化学物質(毒薬)などの収集はそれだけでも法律違反として検挙される時代であり、サリン事件の教訓は既に活かされている。泳がせ捜査やおとり捜査で危険品を所持する前でも警察当局の介入はできるようである。穴があるという典型例(水道などに毒物を入れる)を検討すると、実は該当する規制が見つかり「穴など存在しなかった」という事態が起きている模様。

そもそも単独犯という可能性も往往にしてあるわけだが、この場合共謀行為など存在しない(殺人の予備罪などで事前処罰は可能)。


また、刑罰さえあれば全てのテロが抑止できるわけではない。長期的な視点に立つなら、海外での不安定地域を安定化させるしか過激派の動機を断ち切る手段はないだろう。仮に「事実あり」とするにしても、特効薬にはなり得ないことはわかった上でのぞみたい。

さらに、この法案を待つまでもなく某条約には加盟できるはずだという指摘もあった。


後者の法案の中身については、必要論に立っても技術的な指摘が散見される。ここで通したとしても早々に改正法案を出さなければいけないような点も見受けられる。

例えば、刑期の長さである。「組織的…だから」といって一律にしたようだけれども、犯罪の重大性は様々で、277の犯罪に一律に線を引くのは難しいはずである。この点は「このままでは実務が混乱する」という指摘が出ている。

また、某特別報告者について「一人の専門家としてのコメント」としてはレビューされず一蹴されている。しかし、本音は反対なのかも知れないが、コメントでは法案について「絶対に反対」とまではいっていないことはコメントを読めばわかる。運用が逸脱して人権四億敦にならぬよう防御機構を入れたらどうなのか、もう少し見直してみてはどうかというのがその主張の中身である。主張を正面から受け止めて修正すれば、「デメリットはない」という主張を補強できたにもかかわらずチャンスをふいにした感じが否めない。

最後に警察は嫌疑をかけるのは仕事である。当然それは誰でもなり得るわけで「一般人は捜査(調査)の対象にならない」ということはどの犯罪でもあり得ない。これは野党の質問にも問題があったのかも知れないが、「それでもテロ対策のためには絶対に必要なのだ」と説明すればよかったはずであろう。


仮に必要論・賛成論でいくにしても、まだ積み残しがあるというのが個人的な感触である。やや否定的なコメントばかりになったが、そういう箇所が賛否・必要/不要の分かれ道だと思う。



☆一連の疑惑についての国会招致

必要あり26
必要なし49


これだけは大手調査と違う結果が出た。統計上不正確だからと説明すればそれまでだが、政府が調査するということを明言しておりそれを様子見ているという解釈もあり得る※か。もしも調査が不十分だったり(疑惑のネタが増えたり)、延々と公表されなかったりすると再び必要有りが増えてくるという展開も予想される。

※もちろん疑惑自体がないと思っている人がいるという解釈もあり得る



今案件になっている疑惑は、実態解明が主で関係者をすぐに処罰するという類いの話ではない。直ちに処罰するなら、処罰を求める側が立証する必要があるという話はある程度わかる展開なのだが、現時点ではその段階にいるわけではない。したがって「わからないので調査しよう」という話になることはおかしいことではない。


逆に「出所不明なので調べない」というのは一般的に分が悪いと思う。支持率下落の要因になっているだろう。政権支持者から「いいかがりに過ぎない」という反論が聞えてきそうだが、全て調査を尽くした上での結論なら文句は出ないというものである。現政権を支持しないあるいは支持していても野党よりマシという程度では恐らく「何か調査できない事情があるのか」と考えているだろう。そう考えると、大手調査では時期が異なったとはいえ逆の結果が出ているのも説明がつく。


ちなみに、与党であれ野党であれ「人柄」みたいなものオンリーで支持するのは危険だと思う。その人の人柄が優れていることが政策判断の善し悪しと結びつかない可能性もある。自らの考えとの距離や政治家の発する政策の合理性をまずは判断の軸としたいところである。





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