都議選は全て開票が終了して議席が確定した。早速中身を見ていこう。
新勢力
都民F 55 +50
自民 23 △34
公明 23 +1
共産 19 +2
民進 5 △2
維新 1
ネット1
※都民F+公明=78
まず小池シンパで過半数を大きく上回った。予測との比較は後ほど。
自民は過去最低の38議席も割ってしまい、23議席、公明党と同数になってしまった。これは大手調査でも予想されていなかった事態である。
共産は、予想では現有議席の維持は困難で、中には大敗を示唆されるケースもあった。しかし、現有議席から上積みして逆転勝利を飾った。
民進は、さらに下堀してしまった。存在感を示せなかった。とはいえ、0議席や1議席の噂が絶えない中では善戦していたという側面もある。
投票率
51.28%
前回より+7.8となった。50~55のレンジには到達したが、個人的には53~54%を想定していたためもう少し伸びても良かったと思っているのだが、少々伸び悩んだ。
もちろん絶対数として投票した人は少なめである。6割は超えて欲しかった。
得票数について
細かい想定投票率よりは下回ったため、総得票も予想得票も若干下に外れてしまっている。
都民F・公明・共産は得票数の大まかな傾向は当たっており、得票率はほとんど正解に近い状況だった。
都民F
実際は188万票だった。想定の200万票余りからは若干下回っている。とはいえ、実際の投票率と掛け合わせれば、180万票に修正される。得票率に換算すればほとんど当てることが出来ていたと考えてよい。得票率は35ポイントを見込んで、実際は34だった。
公明
予想を下回った。80万票も想定してかんがえていたが、そこまでは到達しなかった。とはいえ、直近の参議院選挙並みの水準になっており、得票率自体は上昇した。得票率の上昇はだいたい当たっていた。
共産
得票数も得票率も一番当たっていた。当初70万票と予想して、終盤の猛追で80万票ラインをうかがうかもしれないとかんがえていた。実際は77万票でほぼ正解だ。しかし、無党派での共産の伸びを予測しきれず後述の自民党との関係で接戦区を十分に予想できなかった。
自民
得票数も得票率もあまり当たらなかった。
原因は、一定の基礎票を推測したのだが、支持率下落による基礎票の減少分を十分に入れられなかった。それでも各種調査から1割減は見込んだのだが、実際はもっと下がっていたようだ。
また、無党派層の自民への得票予想も外れてしまった。これは直近の世論調査の数字を組み合わせた。都民F38ポイントと出口調査に近い値を出せていたのだが、自民と共産がまるであたらなかった。
実は無党派層において自民はそれでも20ポイント集めるだろうと計算していた。共産は堅調に推移して14ポイントしていた。しかし、蓋を開けてみたらどうやら数字がそっくり入れ替わっていたようで、これが接線区の結果に影響したともいえるだろう。無党派層は2割つまり120万票あってそのうちの10万票を移ってしまったことを意味するのだから。
予想では自民の固定票の底堅さを意識して180万…下がっても163万は割らないというかんがえだったのだが、割ってしまった。もっとも、163万-前回13年の都議選の時の得票数なのだが-を割ったら一気に自民に下押し圧力がかかるという点は読み通りだった。予想では「もしもこれ以上得票を減らしたら危ないぞ」と散々書いていたが、現実になってしまった。
民進
サンプルが十分でなく、40~60万票までかんがえていたのだが、実際はレンジを割ってしまった。不正解。
議席について
自民の議席が予想より下押しになったので、自民の観点からみていこう。
VS都民F
自民が都民F・公明によって奪われたとみられる議席は15ある。こういった展開はだいたい想定通りだった。
とはいえ、2人区の票読みがうまくいっていなかっため、追加当選を十分に予想できず、2人区が予想以上の大敗だった。そのため、都民Fの議席予想の上値が52(中央値は47~48)になっていたが、52を突き抜けてしまった。ただ、50を上回る可能性は終盤の伸びから予想はしていた。
1人区は自民の1勝6敗だが、事前には自民の5敗まで予想できていた。
いずれにしろ、都民Fの大勝・公明と併せての議会過半数・都民Fの第1党は全て予想通りになったので、要点はおさえた。また公明の全員当選も予想できていた。
VS共産
自民が共産の伸びで失った議席は14にのぼる。これが一番当たらなかったので、ちゃんととりあげないといけないようだ。
☆共産当選・自民落選の組み合わせになる選挙区(最終予想)
新宿区・江東区・板橋区・葛飾区・八王子 合計5議席
特に新宿と八王子はゼロ打ちに近い水準で共産に当確が出るとみていたが、この点は基本的に当たった。江東区も比較的早く出ると思っていたのだが、意外に接戦だった。
とはいえ、以上を除いては、自民の僅差でのリードを見込んでいた。したがって、そのままでは共産が逆転してくる可能性は3~5割程度とかんがえており、逆転してくる数は限定的と予想したのである。リードしている以上、もしも逆転を予想するには明確な根拠が必要なのである。
確かに、JXの調査などで共産が終盤に猛追していることがわかっていた。しかし、自民の固定票を意識していたため(それが誤りだったのだが)、影響は限定的と予想した。なので、上記の5議席も「共産が順調に伸ばしたら多分勝てるのはこの5つでそれ以上は他の要素がなければ厳しい」というものだったのである。
そうすると、自民が都民Fに削られて40議席ギリギリになったとしても、さらに下押しがかかるというのも限定的だと予想していた。
ひとまずは、41議席と慎重に予測したが、38~40くらいになるのではないかというのが心証だったのである。
ここで、最終予想のレンジを確認しよう。
都民F:43~47~52
自民:31~41~50
共産:6~10~17
自民敗北の構造を見るべく、ここからは共産の実際の獲得状況をみてみる。
最終予想の段階で
足立区・練馬区・世田谷区は自民の落選と絡まず
八王子・新宿・江東区は自民を落選させる形で
以上の6つは9割方確実だろうと判断していた。
その次に
大田区1人・杉並…自民の議席とは関係なし
板橋・葛飾区…自民を落選させる形で
以上の4区についてだが、「当落線上で一歩リードしている」という判断をしていた。
これに確実としていた6議席を併せて中央値を10議席としていたのである。
この辺でおさまっていれば、自民が31というレンジの最低ラインを下抜けすることはなかったのである。
※共産については当選見込みを出していた以上の10議席をひとつも落としていない
しかし本番では、これら事前予想分が全て当選した上で、自民を落選させる形で追加当選が次々に出てしまった。自民が思った以上に票を減らし、共産が伸びた。
とはいえ、北区・江戸川区・町田・品川・北多摩第1は差を詰めて猛追していることが既に予想できていた。このため、15議席までは一応理解可能だった。
ところが、豊島区・目黒区などは追いつくには厳しいと判断していたのだが、逆転当選を許して、レンジを抜けてまさかの議席増になった。
結局共産は19議席に達した。予想から+9議席と対応するように自民党は31からさらに8議席少ない23議席に終わったのである。
共産の終盤の猛追が自民を過去最低どころか30議席割れという惨劇へ導いた「だめ押しの一打」だったように思う。
VS民進~まさか民進にまで負けるとは?
なんと民進にも4議席とられた。
板橋では自民の2人の中得票の高い方の候補者まで落ちて、自民共倒れの悲劇が起きた。S議員のお膝元で大打撃。
練馬でも奪い、中野・三鷹でも自民は誰も当選できなかった。
民進が終盤やや盛り返したのだろうと思う。
選挙戦術について
都民Fはうまかったといえる。しかし、豊洲移転についてのあのタイミングは人によっては「タイミング良すぎない?」という風に感じたかも知れないが、あまり影響はなかったようである。公明は上手く勝ち馬に乗ったということであろう。
自民は、失言・暴言や疑惑が下押し圧力を強めてしまった。また、複数区で2人以上の候補者を立てて共倒れしたケースがあった。都民Fや共産がのばす原因を作った。もちろん、1人にすればある程度勝つことは出来たと思う。
しかしながら、共産の猛追は1ヶ月前に予見するのは無理がある。また、失言・暴言がなかった場合のことをかんがえれば、複数区に2人擁立しても、擁立する時点では望みがなかったとまでは言い切れないと思う。結果的に共倒れになったが、判断ミスをある程度挽回することは出来た可能性はあった。それだけに手堅くまとめようとしていた都議会自民党に国政の風が吹いたのは悲劇だった。
共産は、いつもスタンスがうまくはまったという感じだ。都民Fでも自民でもないという人たちの投票先No.1だった。
今後の東京都
小池都知事が安定した運営を進めるというのが基本線だとは思う。
しかし、小池チルドレンというのは不安要素だ。アベチルドレンといえば、魔の二回生とよばれており、T議員の暴言暴行疑惑はその典型例だ。このところ共産党も毎回新人議員を輩出しているが、1年生議員には粗相をやらかした人がいる。減税日本の一部の市会議員の迷走ぶりも記憶に新しい。
このように、新人議員が多いと難しくなる。もちろん、失敗もあって成長していく部分もあるから、全てが全てベテラン議員のように責任をとれというつもりはないのだが、責任をとらざるを得ないような失態を演じるチルドレンがいたという過去からすると、都民Fで起きないと断言するのに100万円も200万円も到底かけられない。
また、「民進出身がいる!(民進が嫌いな人は多いのだろう)」と都民Fを批判した人をTLにて山ほど見かけたのだが、それほど簡単な話ではない。都民Fについては、民進出身者がいることが決定的に重要ではなく、異なる会派出身の人間が寄合所帯を形成しているという点が複雑だと思う。つまり、民進もいるけど、自民出身もいる…国政では対立しているはずの両者が「呉越同舟」になっているのではないか…この点が肝心である。どちらか単一で構成されているのであればまだ見通しが立てられるのだが、善し悪し以前に見通しが立たない可能性がある。この先の都政の運営方針で党内の意見集約が出来るのかという現実的な問題が浮上する可能性もあるだろう。
とはいえ、公明もいるし共産も小池知事の予算案に賛成票を投じている。共産まで場合によっては話合いのテーブルに着かせられるというのであれば、打開策は案外見つかるのかも知れない。いずれにしろ、都民Fと小池知事の手腕はこれから試される。
豊洲・築地両方活用案は具体性に乏しい。今回はむしろ期待票という側面が強い。こうした課題を解決できるかまずは手腕を測る試金石だと思う。
国政との関連
これについても「国政と都政は別だ!」というのをTLで散々見かける。
確かに、「都政と国政、それぞれが担当すればよく相互介入に馴染まない分野」というのはあるのだろう。介入を望まないので「別だ」というのは、一つの意見としては理解可能ではあるように思う。
しかし、都政と国政が完全に峻別されるべきだという理想論・制度論、要は青写真と現実がどう動くかという話はそれこそ厳格に分けてかんがえないと議論が混乱するばかりか、政治的な判断を誤る危険があるのではないだろうか。
個人的には、もちろんダイレクトに…なんていうつもりはない。しかし、全国の世論に影響を与えれば、間接的には国政は動くということは十分あり得る。野党が閉会中審査や臨時国会の招集を求めているが、世論が動く可能性を念頭に置いた行動であると理解できる。ここでもその行動がいいか悪いかという話をしているのではない。
今後の国政運営・政局
自民党
分岐点にさしかかっているような感じだ。このところの疑惑については、満足に説明できているとかんがえている人の方が少数派になっているようである。今後、どういう説明をしていくのかポイントではある。
この一連の疑惑については、読者からすれば不満かも知れないが、説明責任についての評価は個人的には多数派に近い考え方を持っている。閉会中審査には応じる姿勢を見せた点は評価できるとしても、首相を出席させないという。「自ら説明する」という方針と矛盾するのではないかというさらなる批判が出る恐れが否定できない状況だ。
こうした後ろ向きの姿勢を変えないことには、内閣支持率はさらに減少するという展開を真面目に予想しなければいけなくなる。後ろ指を指されない自信があるのなら、自ら率先して関連資料を漏れなく公開すべきだろう(もちろんメールアドレスといった個人情報や個人的な趣味・私生活まで公開しろといっているのではない)。
加えて、内閣の改造は重要だ。また失言や物議を醸す問題発言が出てくるようではまずい。これまでは高い支持率を背景に突っぱねることも出来たが、今後しばらくはそうはいかない。何よりも安全確実な人選が不可欠である。とはいえ、党内のバランスが崩れないようにしなければいけないところが難しいところかも知れない。
経済政策については、個人的な評価についての言及は差し控えるが、どちらかといえば支持される傾向にある。やはり経済政策で支持率を回復させるというのが一番確実な方法ではないかという気がする。安全保障政策や治安立法に手を付けたり、安倍首相の念願である自主憲法の制定したりについては支持率の回復を待ってから再び戦略を練った方が良いだろう。
もちろん、野党の挑発に乗って衆議院を解散するなどもってのほかである。選挙戦術についても、もう一度点検したい。
都民F
都民Fの国政進出については見方が分かれる。
現実に、進出するという場合に
・自民党と連携していくのか
・民進党あたりからの離党者もプラスした新勢力を作るのか
という風に、完全に分かれている。しかし、自民党と完全敵対かといわれるとそのような状況は想定するのは難しいという指摘もあり得る。都民Fがそこまで頑張って安倍政権批判を展開していたわけでもないことがその理由である。
また、小池知事は政治信条はむしろ安倍首相と近いので憲法改正の悲願達成のために連携すればいいという主張まで見られる。憲法改正がいいかどうかというのはあえてここでは言及しないが、内閣支持率が減少局面である現在、直ちに動くともかんがえづらい。支持率が回復してくるようであればこの展開がないわけではない。
逆に支持率がさらに低下した場合は、やはり新勢力を作ってくるだろう、今度は「国民ファースト」という政党でも作るのだろうか。民進党から離党するのは現時点では恐らく保守派・右派とよばれる人たちとなるだろう。新勢力が台風の眼になって政権を取る、場合によっては憲法改正へ進んでいくという展開もあるかも知れない。
仮に進出するとしてもその判断は秋以降だろう。その頃には安倍政権がさらに数年続くか、退陣へのカウントダウンが進んでいるか一応わかるはずだからである。秋以降に再びかんがえるべき問題だ。
公明
しばらくは、国政では自民、東京都では都民Fと組むという状態が継続する。ある種矛盾した状態ではあるが、今までのコメントからもわかるように、自民と都民Fが完全に矛盾する存在というわけではない。したがって、この矛盾も限定的なものだと理解しなければならない。
公明は今後も堅調に推移することが予想される。
民進
0議席や1議席という結果は免れたとはいえ、退潮傾向に歯止めがかからない。しばらく前に共産に使っていた用語なのだが、今は民進にそれを使わなければいけない。執行部の責任が問われる事態になっているが、幹事長はあっさり続投を宣言した。与党支持者からしらけられているかもしれないが、これに関しては野党支持者・野党系無党派からの評判も悪い。
今後、小池知事の下に結集しようとする民進党議員がまた離党する事態もあり得る。なし崩し的にこの事態を迎えるのではなく、方針を決めてから迎えたいものだ。方針が決まるのなら、残留したメンバーで結束を固めてしっかりとした国会対応を見れる可能性はある。
では方針は…ということになるのだが、大きくは3通りだ。
・小池知事に近づく→政策的には保守~右派的な方向へ
・共産を含めた野党連携路線を維持する→リベラル~左派傾向を強める
・維新のような何かを目指す(ちょっと思いつかないけど)→?
これから民進はまた分岐点である。
小池知事に近づけば、うまくいけば大勝できるかもしれない。しかし、一時期の人気はしぼみやすい。こうした傾向にはまって一気に消滅する可能性もある。
野党連携で結束するという選択肢ではどうか。既に触れているとおり、民進が勢いを失う中で共産はこの4年間好調をキープしている。さらに共産に発言権をとられて、政策決定に不自由が生じるケースが発生するかも知れない。恐らく困るのは、自衛隊の問題より消費税の問題だとみている。また、直ぐに選挙で勝てるかどうかは怪しい。
いまのところは、後者でやりそうな雰囲気ではあるが、意見集約を怠ると空中分解する恐れがあり、見通しは引き続き険しい。
という重大局面なのに、民進党執行部は全く都議選の総括が出来ていないようである。挙句の果てに、野田幹事長は「自民党を追い込んだ」などとコメントしたそうである。民進党はやっと5議席をとったに過ぎず、議席減に歯止めをかけられていない。
「自民を追い込んだ」といっていいのは、基本的には都民Fで「追い打ち」「だめ押し」をしたのは共産党である。共産党が「自民を追い込んだ!」と総括するならまだわかるが、民進党がそんなコメントを出すのは理解不能である。野党側(議員もサポーターも)でも「認識がずれている」という批判が公然と上がっている。
こういう把握能力だから共産がのびるのではないだろうか。自民の問題発言を含んだ脇の甘さや民進党の体たらくなど、オウンゴールばかり見せつけられた選挙だった。
共産
好調をキープしたといってよいだろう。予想に反しての議席増が理由だ。
先ほどの「自民を…」ということについては、一応共産が当選することで自民が14議席はじき出されていることが確認できている。そのため、民進に比べればその説明には説得力があるという感じはする。無党派層に限ってみれば、都民Fの次は共産である。
無党派層の出口調査の結果は以下の通りである。(主要4社平均値)
都民F 33.7
共産 17.9
自民 12.7
民進 10前後
こうしてみると、無党派層では共産が自民を上回った。こうしたことからも自民は固定票以外の浮動票をあまりとれなかったことがわかるだろう。民進が10%内外である。これをみても共産が既成政党ではかなり浮動票を獲得していたことがわかる。もっとも、都民Fほどは獲得できなかった。
このことから、考え直さなければいけない点がある。それは、「共産は組織票である」といういわば常識である。
もちろんこの点は個人的にも知らなかったわけではない。実際に今回の予想では浮動票の伸びをそこまで期待していなかったため、辛めの予想になった。しかし蓋を開けてみるとこの通りである。前回の都議選でも無党派層から一定の得票があったが、今回も同様の結果になっていた。
もちろん組織票がそれなりにあるのは確かだと思うが、一定程度無党派にも浸透する可能性を考慮しておかないと、他の党は判断を見誤ってしまう。
共産は埋没を免れた。今後も一定程度の影響力を引き続き維持することが予想される。また、野党同士では発言力が強まることも想定されるだろう。勢いのあるなしについては間違いなく「民進党よりある」というのがその答えである。
※共産の課題と野党連携・今後の国政与党への影響~経済政策を巡って
しかし課題もある。若年層は基本的に「保守・右派」という傾向が強い(自分たちは中道だというかも知れないけど他の勢力との関係を指摘するのに苦労するのであえていわないでおく)。そうすると、長期的に本当に大丈夫なのかという問題がある。ただし、何度もあった退潮傾向をその度にひっくり返しているため、消滅するという予想はしない方がいいと思う。
直近では、野党連携の時の政策協定が問題だ。自衛隊が…と真っ先にいきたいところだが、今のところこの党が与党でなおかつ首班になるという現時点ではおよそ想定不可能な条件の下でしか問題に仕様が無い。政策協定で持ち込まないことにした以上そうならざるを得ないからだ。もしも政策協定を反故にすれば大変なことになるから。いまさらそれも不可能に近いだろう。
そうすると、問題は規制改革や税制・財政問題に対するスタンス-主に経済分野なのだが-がかけ離れていることにある。
わかりやすく消費税を例にかんがえてみよう。どうもTLで「共産党は消費税増税に賛成した」というコメントを見た記憶があるのだが、それを信じるのはカルトを信じるよりたちが悪い。それこそ過去のニュース記事と公式サイトを確認すればわかる話である。
そうすると「共産を擁護するのか?」という反論がきそうなのだが、そうではない。
民進党は逆に消費増税必要論に立っている(特に2012年野田幹事長は当時総理だったが消費増税を積極的に進めた)。これは、共産の主張と180度違うというのがここでいいたいことなのである。しかも、共産は、2013年の参議院選挙で自民・公明・民主を「増税三兄弟」などと批判していた。この状況で、財政政策を一致して協力できるのか疑問がわいてしまう。
ここで、民進が方針転換をして消費税を柱にすることを撤回するのであれば、結構政局的には見所も出てくる。与党はそこで消費増税を持ち出したら、票を減らしてしまうため、別に争うカードをかんがえなければいけなくなる。
しかし、民進は今のところをそれを変えるつもりはないようだし、民進のブレーンである某教授がごりごりの消費税論者であるからハードルがある。むしろ、連携でほころびが出るのは経済分野だとみているのはこのためである。
こういう風にかんがえると、共産の堅調・好調ぶりが国政与党に直ちに大きな打撃を与えるかというとそれは疑問ではあるというか、今のところ困難であるといってよい。
以上が都議選関連のコメントである。なるべく、今後の政治状況の説明のみにして、個人的な政治スタンスを省略した。
しらさぎのコメント保管庫
@7M_shirasagiのなんかまとめてコメントするための雑記帳です。 不定期にアンケートコラムや鉄道旅行の連載を行います。
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