新潟知事選2018選挙戦へ

改めて、選挙戦が始まったので再度予想。

花角・池田競る(最終予想)

最終予想は花角と池田が一歩も譲らぬ競り合いを演じるというものである。中盤よりは、接戦寄りに表現を改めた。それでも、前回の知事選が「森・米山横一線」を予想したので、それよりは与党有利の予想である。

選挙戦終盤になって情勢調査の資料が出そろった。朝日新聞は「花角やや先行」と報じた。その他はおおむね「花角・池田」と花角を先順とした競り合いだった。継続調査を行っているJXについては当初は花角を先順としていたが、最終盤の発表では「池田・花角横一線」とどうも彼らの生数字では池田が逆転したようである。

さらに最新のJXの調査によると終盤に入り、無党派で池田が勢いをつけてきてはいるようだ。さすれば、さすがに花角がゼロ打ちで当確する可能性はほぼ完全に消え去ったとみてよい。当初は花角が10ポイント前後、池田が伸び悩めばゼロ打ちラインに近づく可能性もあったが、最終的には当初想定のリード幅を維持できない可能性が高いと判断した。

ただ、与党は組織票を前回より固めている。組織票が入りやすい期日前投票が大幅に伸びていることから、期日前は花角が大きくリードするだろう。したがって、無党派が集中しやすい当日票は池田が上回りそうだが、花角を逆転するほどにリードする必要があるところそこまでいくかどうかというところである。今回はこの点前回選挙より花角が有利である。

仮にそうすれば、池田は無党派で花角大差を付けなければいけない。JXの最新の調査では態度決定者の6割程度が池田に流れているようではあるが、6割程度では完全に差がつまるかというと答えはどちらかといえばNOである。このあたりまで考慮すると、小差にはなるが名前の前後を入れ替えるほどの条件はやはり見当たらない。

とはいえ、思いの外池田が粘っているように思われる。さすがに米山のような逆転劇をそうそう与党が許すかといわれると疑わしいように考えられるものの、当日の投票率が上がると基本的に無党派が多くなる。その肝心の無党派は池田が先行となっているので、前回より5ポイント程度あるいは60%を超えてくると花角が逆転負けを喫する可能性がゼロというわけではなさそう。


ただ、組織票のかたまり具合や各種データ・米山氏が辞任した件を総合すれば、花角が競り勝つ可能性の方がやや高いとみている。


花角やや先行・池田迫る(6月4日)

前回の予想(5月下旬で内容は末尾に記載)と大きな変化はないが、国政与党系花角が引き続き一歩リードしているが、池田が無党派層で支持を集めてより激しく追い上げるような予想とした。得票差の予想もおおきく変わっていない。

基本的には、池田が攻め切れていない。無党派では花角より支持を集めているが、前回ほどではなさそうである。他方で花角は与党の固定層を前回の知事選より固めており、いまのところ花角が固定層を背景にやや有利ではないかというものである。この点までは前回と一緒。

ただ、前回よりは花角有利としているものの、表現を一段接戦寄りに変更している。具体的には池田について、「猛追」から具体的に差が詰まること指す「迫る」に変えている。

JXの調査によるとむしろ花角と池田の差が開いたようではあるが、逆に読売新聞・共同通信の調査では自民支持層が十分に固まっていない様子が浮かび上がった。このため、依然として花角がやや有利だとは見ているが、5月下旬の予想よりはわずかながら差が詰まる可能性があると判断した。


今後の焦点

やはり、自民層と無党派層の動きである。どちらも3~4割程度はいるとみられるため、ここでの勝敗が雌雄を決するものである。いまのところ、花角は自民層をおさえて無党派層を3~4割程度、池田が無党派層でリードする構図を描いている。ここから花角が有利だという結論を導いているのである。しかし、自民層の2割が池田に流れると、全体の5%あまりが動いてしまい、得票率の10ポイント程度の差はあっという間に埋まってしまう可能性がある。

無党派層で花角が追い上げるか(池田がさらにリードするか)、自民層で池田が食い込むか(花角が固めるか)で結果が決まるとみられる。情勢調査を見る限りでは、終盤にかけてなお流動的な要素を残しているように思われる。引き続き注視が必要だろう。



(参考)5月下旬時点での予想

【花角やや先行・池田猛追】

結論

現時点で、参考にした事前情勢調査および過去の選挙結果、出口調査の結果を加味して予想判定を出した。結論は、与党系の花角が一歩リードしそうだが、野党系の池田もかなりの得票を集めそうだというものである。いずれにしろ両候補の得票率が4割を下回る可能性は低く、ハイレベルな争いになるというのが予想である。

また、いわゆる「投票締切直後の当確」である「ゼロ打ち」になる可能性は極めて低いと予想している。今後の選挙戦次第では激戦になる余地がある。

理由

ちなみに、現時点で選挙ドットコムが提示した情勢は「池田・花角横一線」と読み取れる中身だった。選挙ドットコムは一応世論調査で妥当な手法を用いて情勢を探っているのである程度の信用性はあるが、今回は選挙ドットコムより与党に有利な(野党に厳しめ)予想を提示した。その理由は以下の点にある。

極めて参考になるのは、前回の知事選(野党系米山が勝利したとき)の出口調査である。おおよその傾向は以下のとおりだ。

・野党系支持者は米山氏へ。当時民進は推薦しなかったが、民進支持者も大半が流れた。

・3割くらいいた無党派層は3分の2前後が米山氏へ。与党系森氏は3割程度しか集められず。

・森氏が半分ほどいる与党支持層を固めきれず、2~3割が米山氏へ流れた。

これが2016年である。このところの国政選挙の状況や政党支持率を勘案すると、3点目「全体の半分ほどいる与党支持層」はいまでもだいたいその規模になっているということがうかがえる。野党支持層や無党派層もまた然りである(=与党:野党:無党派の構成比が変わってないということ)。

ここで、選挙ドットコムは、今回の調査で「支持政党別に見ると、ふだん国の政治で自民党、公明党を支持していると回答した人の中では花角氏の名前をあげた人が、ふだん国の政治で立憲民主党、国民民主党、共産党、自由党、社民党と支持していると回答した人の中では池田氏の名前をあげた人が突出して多く」としている。

どの程度の割合かははっきりしないところがあるが、与野党がそれぞれの支持基盤を固めていると読み取るのが自然だろう。この点を2016年の知事選の出口調査と比べてみるとわかるのが、

・2016年→与党支持者が野党候補に流れた

・今回→与党支持者が野党候補にいまのところ流れていない

という点である。そうすると、与党支持者:野党支持者:無党派層の構成比がそれほど変わらないという前提に立って考えれば、2016年の知事選より与党系候補が地盤の有権者・組織を引き締めて集票できそうだということが見えてくる。

ここで与党の基盤は4~5割ほど。前回は2~3割が流れたので、10~15ポイント前後の得票が移動する可能性があると読める。そうすると、2016年知事選で米山が5ポイントリードしたのだが、今度は逆に与党系花角が与党系の固定票を固めて2年前とは逆転リードする様子が浮かんでくるのである。

ただ、既に述べたように「ゼロ打ちが出来るほどの差」というものではない。


※近年の選挙動向

小選挙区では与野党それぞれ議席を持っている。2016年の参院選では野党系の森が中原を2000票差で破った。その年の知事選で米山が5ポイント差で森を破った。こうしてみると、野党が勝利するパターンがやや目立つ感じがする。

ただし、国政選挙の比例票の政党別の動向を見ると、与党と野党の割合はほとんど変わらず、与党の自民・公明の票が合計で50%弱の模様だ。これは2014年から2017年にかけて大きく変わっていない。また、最近の世論調査を見ていても、大きく与野党の支持率の傾向が変わっているわけではない。

また、相対的に与党の方が支持基盤が強く野党は弱い。ただし、無党派層は与党<野党で、結局合計の得票で考えると与野党が拮抗する。この構図にも大きな変化が見られない。

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